童夢裁判...第四話最終章、判決は?
東京地方裁判所前には大勢のマスコミ関係者が詰め掛けています。
スイス大手時計メーカーが、知的財産を侵害されたとして、
HPの管理人のひとりを刑事訴追するという異例の裁判の判決がまもなく言い渡されます。

世界的な規模の企業とネット上の趣味団体、損害賠償ではなく
あえて刑事訴訟という構図も異例ですが、弁護人には素人の時計仲間を擁し、
共同管理人との軋轢も見え隠れするなかで・・・

あっ!今判決が出た模様です。

主文、被告人は無罪・・・
判決理由、インターネット上の童夢風防愛好会はカリメロ&銀次の時計談義のメンバーを
中心に組織された時計好きの趣味団体であり、
共同管理人のひとりである被告人久保銀次は、持ち前の器用さにより
自らドーム型風防を製作したが、これは言わば懐古趣味を実路したにすぎず、
販売を目的としたものとは考えられない。またその容姿も受忍限度を超えている
とは認められず、よって検察の訴えを退け、被告人を無罪とする。

なお、被告人は、本件証拠物件として提出された時計5513に装換されたドーム風防と
同型のもの作成し、後日裁判所に提出するよう求める。

書記官、これは私人としての依頼であり、記録から削除するように・・・。

(弁護)よっしゃぁ〜っ!銀次さん、よかったでんなぁー。

      ホンコンさん、あっありがとうございます(涙)

(傍聴席)銀ちゃぁん〜おめでとう!(カリ銀のメンバー)

その後、メーカー側は上告することなく久保銀次の無罪が確定した。

翌年のバーゼルフェアでは、プラスチックの温かみとクリスタルの強度を兼ね備えた
新素材、”プラスタル”と命名された完全球面ドームを装換した新型シードが
ディスプレイされていた。

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