童夢裁判...プロローグ
     『坂を下って直線コース、先頭はグリーンベゼルだが早くもいっぱいか。
      
かわってエルプリテイオーとサイシンクロノが競るような形でかわしてゆく!
      内へもぐりこんだテマキコスモは伸びてくるか!?』

いけぇー!テマキコスモーォ!

  先生、お客様です〜 警察の方が・・・

     『ゴールまであと200メートル、テマキコスモは伸びない!
      これはエルプリテイオーとサイシンクロノの一騎打ちになりそうだ!
      2頭が他馬を大きく引き離す〜・・・』

あいやぁ〜!またハズしたわい・・・

   失礼します。ほっとけぃさんですね?

なんじゃ?わしゃ、先生とか老師と呼ばれておる。あらたまって名前で呼ばれると
ピンとこぬが、いかにもわしがほっとけぃじゃ・・・、して、おぬしたちは?

   警視庁の法度と申します。(警察手帳を見せながら・・・)こちらは・・・

警察?どれ、近頃カタリもおるでのう〜、その手帳、診せてもらおうかいのう。

   どっどうぞ・・・

ふむー(例の特大キズミで・・・)文字のにじみはないようじゃ・・・
はっと・てい・・警部さんか?珍しい名前じゃのうぅ。

   法度 締(はっと・しまる)と読みまして、江戸時代から・・・
   いえ、そんなことより・・・

お隣の青い目の御仁は?

   申し遅れました。こちらは某国大使館のウィルスドルフ一等書記官です。

どれ、その青い目、本物か診てしんぜよう。

   おっほん!

ジョークじゃよ、ジョーーク!ふぉっほっほっ!

        「Bonjour〜」

むっ!いきなり銘柄指定とは!
〜すまぬ〜、コーヒーはキャンセルじゃ、オレンジじゃと!
愛媛産がお好みのようじゃ!
まぁ、おかけなされ。どちらから診て進ぜようかいのう。

   実は・・・

法度警部、おぬしのその時計、いくら安物とはいえ少しはきれいにしてやったらどうじゃ!
持ち物を大事にせぬ奴は仕事もできんでのう。

   いっいえ、今日は捜査のご協力をお願いに・・・。この人物(写真)をご存知ですか?

どれ・・・見覚えのある顔じゃ・・・おーぉ、思い出したわい。
いきなりトイレに駆け込んだ好奇心旺盛な男じゃったのう。
確か、5513ミラーに手作りのオリジナルドームつきじゃったわい。

   手作り!(警部と書記官が顔を見合わせて)間違いありませんか?

わしゃぁ、こうみえても“ウォッチ・フォーチュン・テラー”じゃ!間違いござらん!

    この男の潜伏先や立ち回り先に心当たりありませんか?

さぁのう〜。汽車の時間がどうのこうのいうておったが・・・おーそうじゃ!
奴は技術者と親しいような口ぶりじゃったから、地方のロレ営業所に聞けばわかるやもしれん。

    そうか!わかりました。どうもありがとうございました。失礼します。

         「Au revoir〜」

これ!人に物を尋ねておいて・・・なんじゃぃ!さっさと行ってしもうたわい。
わしゃ知っとるぞ、ヤミ捜査費を捻出しておることを・・・・。

     

  先生、いくら競馬に負けたからって・・・・

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