HONGKONGレポート/総司令エル罰ス編
ホンコンです。 みなさん こんばんは!

今回はヨメハンと行くエル罰ス修羅ツアー編です。

6240奪還のあと、予定通り親父の店を訪問し、そこから先は総司令の命令に従いました。
まずはセントラル、ギャレリアのエル罰スです。
レディーファーストよろしくブティックの扉を開けると、総司令は商品など目もくれず、堂々といすに腰掛けます。後から入店した私は「愛する妻のために何か革製品のバッグを見せて欲しい」とスタッフに伝えます。

日本を発つとき、総司令と詳細な作戦会議をおこないました。

革製品以外は手を出さない・・・キャンバスのフールトゥーやガーデン・パーティは買わない

あくまで第一目標はオール革のフールトゥーであること

ブルージーンが標的であること

さっそくありました。ブルージーンです。しかも2タイプも!
ひとつはベスパ、もうひとつはピコタンです。
総司令はどうやらエヴリンも視野にいれておられたようで、近い形のベスパに興味を示されました。
しかし、無頼の肩こり持ち、この形には疑問が残ります。

色は第一希望なのですが、肩ひもがキャンバス地で少し寂しいのと他の店舗を見てからということで、即決はなさいませんでした。

トラムに乗りパシフィックパレスに移動です。ここではトリムがありました。しかし地味な色がお気に召さなかったようでした。

次はリーガーデンです。
すでに上級将校らしき男性がプレゼントなのか、オレンジのケリーを購入されておりました。
総司令はそれを横目でにらみつつ、小さなガーデン・パーティを見つけて装着して感触を確かめておりました。
明らかに敵対行為です。取り外しのできる肩ひものついた新作らしのですが、作戦会議では割高感のあるキャンバスには手をださないと決めておりましたので、必死でお留めしました。
その目はかつてコスモを狙う私のようでした。

コーズウェイベイのソゴーでは特にこれといったものはありませんでした。この時点で到着日の時間切れでしたが、総司令の頭にはもはやオール革のフールトゥーはなく、なんでもいいから一本いっとくという意気込みが感じられました。

翌日、朝一ぺニンシュラを襲撃です。
ここのMPは観光客なれしているため日本語が通じます。しかし私は必死で英語と広東語を駆使しますが、どうしてもかかり気味の総司令が直接お話されてしまいます。
ルージュレッドとオレンジのピコタンがありました。
総司令はブルーが大好きなはずのですが、腰掛けられてオレンジのピコタンの手触りを確かめておられました。エル罰スの魅力は触らないことにはわかりません。

でました!一言です!

「これください・・・」

私は慌てました。前日セントラルでは見向きもしなかったブルージーンのピコタンを見送り、なぜ今日突然ピコタンなのか?

「総司令、ブルージーンのピコタンもございま・・・」

『ブルージーンハヨクナイネ・・・ニセモノオオイヨ、コレアタライイロ・・パンプキンオレンジネ』

これで決まりました。しかしこれで終わりませんでした。
総司令はこのバッグにあう靴はないかしら?とおっしゃておられました。
この気持ちはよくわかります。かつて6240を買ったとき、あまりに嬉しくて残りのお金でチューサブを買ったことがありました。
MPはさっそく同じオレンジ系のスニーカーを持ってきました。
しかし、残念ながら試着したもののサイズがあわなかったようでした。
引きつづき買い物するので商品は明日まで預かってもらうことにしました。
これも作戦通りです。ホテルでの盗難のリスクを避け、再び訪れて顔を売ることができるからです。

私は総司令のボディーガード兼通訳としての任務のほかにかめむしさんの哨戒任務も忘れておりませんでした。
ベアンです。最後の砦、DFSのエル罰スを襲撃中、オレンジのベアンを発見しました。
オレンジ自体、神戸についで二度目なのですが、なにより驚いたのが日本より6諭吉も安いことでした。
これはエアチケットとホテル代は軽く出てしまいます。

勤めて冷静さを保っておりましたが、かめむしさんが乗り移ったように興奮してしまい、さっそくご自宅へ国際電話を掛けてしまいました。
携帯にもチャレンジしましたが残念ながらコンタクトが取れませんでした。
これも出会いなのかもしれません。

総司令をホテルに残し、私は翌日も翌々日もセントラルを襲撃しました。
ブルージーンは売れてしまっておりました。
このあたりはデイトナ正規品とおなじような流通なのかもしれません。
替わりにブルータラサ・ブックスカーフのケリーが入荷しておりました。
これも次の日にはありませんでした。結局残るのは色のきわどいパープルや地味なグレーなどの不人気商品で、しかも小さすぎるか大きすぎるものです。

オレンジのピコタンを引き取りにいくと、MPはジャストサイズのスニーカーを用意して待っておりました。
ロックオンです。サイズが合っている以上逃れられません。
これも日本に比べて4諭吉ほど安いのですから、お金を使っているのに儲けた気分にさせてくれる、なんとも不思議な世界です。
日本だったら10諭吉もするスニーカーを買うはずがないのですが・・・。

私は総司令を伴いオレンジのベアンを確認するため、翌日DFSを襲撃しました。やはりありませんでした。
エル罰スは出会った瞬間に決断しなければなりません。
ビクトリア湾にはこの時期、いつも豪華客船が停泊しています。彼ら上級将校は停泊中にすべてを買い尽くしてしまいます。
われわれ下級将校クラスにはキープは難しいと思って間違いありません。
しかし、エルメスはどうやら一つ商品が売れると、新しいものを出してくるようです。

珍しいガーデン・パーティーがありました。オール革で内張りはエルメスオレンジのサテンにリボン柄で、シルクの同じ柄のリボンがついたタイプです。
あとでわかったのですが、新作でガーデン・パーティー トゥイリーというんだそうです。

総司令はお悩みになっておられました。資金繰りです。しかし私の直感は“即買い”です。

これはクリスマスシーズンにあわせたジャン・ポール・ゴルチェ(主任デザイナー)の限定バージョンに違いないと確信しました。総司令の代わりに私が引き金を引きました。
どうせ*あとからリボ*です。見逃す後悔に比べたら、借金なんてちっとも怖くありません。

香港は時計を買うためから、近年、うまいもんを食べ割安な洋服を買う目的に変わっておりましたが、ついにヨメハンのためエル罰スを買いまくる・・・低所得者がやってはいけないことをやってしまった・・・罪悪感にも似た満足感に浸っております。

総司令は、これから毎年1点はいっとくとニヤついておりましたが、当然そのような大それた事は出来るわけもなく、借金返済のため雨の日もチャリンコで出勤しようかと、追い詰められた気持ちになっております。

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